京都の秋の季節には、みなさまに乗っていただきたいものがあります。その名も「トロッコ列車」。廃線になったJRの旧山陰線の線路を利用して、観光用に使用されている列車です。現在の山陰本線の「嵯峨嵐山駅」をおりるとスグ、トロッコ列車の「トロッコ嵯峨駅」に行けます。ここが始発。ここから「トロッコ亀岡駅」までの約25分間。保津川沿いを走りながら、気持ちのよい風と太陽を浴び、紅葉の季節なら赤く染まった山々が最高の景色を見せてくれます。このトロッコ列車、五両編成なのですが、おすすめは5号車です。窓もなく、屋根と枠だけの、ほんとにトロッコに乗ってる気分。歌舞伎の世界では、石川五右衛門が南禅寺山門の上から京都市街を見て「絶景かなあ、絶景かなあ」と大見栄を切りますが、場所は違えど、まさにこのトロッコ列車の風景にも、見栄を切ってみたくなることでしょう。
さてトロッコ列車の旅が佳境に入る頃、車掌さんの歌がはじまります。「ちょっと列車の揺れに酔ってきたなあ」というタイミングで、車掌さんの歌にも酔えます。ビブラートを効かせたその歌声は「おっ!ただ者ではないな」と思わせる歌唱力。さしずめ今の季節なら「赤とんぼ」なんていう歌を、流れるようなアカペラで聞かせてくれるでしょう。必聴です。歌い終わったら、拍手も忘れずに。 |