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京の小話 みやこの風
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暦の上では「白露」を迎え、秋の趣がひとしお感じられる季節となってきました。朝夕の涼しさはもう普段のこととなり、暑かった今年の夏が恋しくもある今日この頃です。
しかし京都にはまだ、わずかな夏の風情が残っています。
盛夏には大勢の方々でにぎわった鴨川の納涼床は、鴨川沿いの飲食店が川の上に床を組み、自慢の料理と涼を提供する「夏」の風物詩。ところが、白露を迎えた「秋」のこの日にも、「夏」の納涼床が行われていることをご存じでしたか。もっとも九月の床は「名残の床」と呼ばれ、夏を惜しむかのように九月末日まで行われます。実はこの鴨川の納涼床、早くは若葉の萌ゆる五月一日から「皐月床」として行われています。「本床」と呼ばれるのは六月一日から八月末日まで。夏の風情を堪能できるのはやはり「本床」でしょう。しかし、本当にさわやかな気分で夜を過ごすことができるのは、盛夏前、盛夏後といわれています。盛夏の床はいくら川の上とはいえ、「暑い、暑い」という言葉を連発するのは必至。盆地という特有の環境から生まれる蒸し暑さと相まって、川の上の湿気はさわやかさを奪っていきます。しかし、ちょうどいい気候の時期にはアウトドア感覚で、癒しの涼を満喫することができるのです。九月の終わり頃にもなると、夜の鴨川の上は涼しいというより、もう寒いといった方がいいかもしれません。
秋の風の中に夏の名残を感じる、京都の風物詩のお話でした。

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