真夏の太陽が照りつける日々ももう目の前。周辺を山で囲まれた京都の夏は、蒸し蒸しとうだるように暑く、「クーラーがない時代の人たちはさぞ大変だっただろうな・・・」なんて思うほど。しかし、京町家で暮らす人々に受け継がれた夏支度には、電気以外の方法で涼しく快適に過ごすための工夫があふれているのです。
まず、冬の間から使われてきた障子やふすまがはずされ、よし障子やすだれに替えられます。これらは通気性にすぐれ、きつい日射しもさえぎってくれるもの。そしてなにより見た目が涼しげです。特に障子の紙の部分がすべて葦でできているよし障子は、閉じたときがいっそう涼やか!日射しを受けてあめ色になじんだ葦が、まるで壁一面を覆っているようになり、見るだけで部屋に風が吹き抜けてくかのよう。
そして、畳の上に敷かれる網代(あじろ)や籐むしろ。そのひんやりとした感触は、暑い日にゴロゴロするのにもってこい。時間がたっぷりあった夏休みがよみがえってきそうな手触りです。
実用性だけでなく、感性からも涼を取り入れる夏のしつらえ。京都では昔から「家は夏を基本に作るべし」といわれるように、京町家は夏支度で美しさを増し、気持ちまで豊かにしてくれます。
今では、クーラーのスイッチを押すだけで快適に過ごせますが、この夏はひとつ、目で見る涼しさにもこだわって、まずは風鈴でもつるしてみませんか。 |