気候も涼やかになり、もうすっかり秋ですね。こんな季節にこそ楽しみたいのは、京都のお寺巡り。中でも、ちょっとミステリアスなお釈迦様に出会えるお寺なら、秋の夜長に空想を膨らますにはもってこい。というわけで今回は嵐山の清涼寺のお話です。
「嵯峨釈迦堂」として京都人に親しまれている清涼寺。この地は、源氏物語の主人公、光源氏のモデルだったといわれる源融(みなもとのとおる)の別荘でした。融の没後、別荘は棲霞寺(せいかじ)という寺院へと改められ、平安時代中期には奈良、東大寺の僧が宋でつくらせて持ち帰った一体の釈迦如来像を、寺院内に安置しました。その像を本尊として興隆したのが清涼寺です。
さて、その釈迦如来像ですが、異国情緒漂う顔立ち、流水状の衣、縄目状の髪・・といった独特の姿をしており、後々全国的に模倣が行われたというほど珍しい姿をしています。それもそのはず。この像は、なんとお釈迦様の生存中にインドでつくられた像を模倣したもの。つまり地球上に生きているお釈迦様の肖像のようなものなのです。
さらに驚きなのが、この像の中から絹製の五臓六腑が出てきたということです。赤い心臓、黄色い胃・・・とそれぞれ現代医学にも通用するような内臓の模型。宋の時代(日本でいえば平安時代)に、人間の体内が分かっていたということなのでしょうか?そして、釈迦如来像に内臓をいれたその意味は??
釈迦如来像の五臓六腑は、11月30日まで開催されている、霊宝館秋期特別公開で見学できるので、一度拝観してみてはいかがでしょう。謎解きをしながら過ごす秋の夜もまた一興ですよ。 |